心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「愛花!」


私はお母さんをにらみつけた。


「何で、私たちが外に出て行くかわからないくせに」


毎日毎日、ケンカ。


「子供がこんな時間にいなくなったら、心配するでしょ」


「ウソ! 心配なんてしてないくせに。心配なのは、お金だけ」


バシン!


お母さんの右手が、私の左頬に飛んできた。


熱い。


私は、たたかれた頬を手で押さえた。


「いい加減にして。自分がケンカしてイライラしてるからって、私に当たらないでよ!」


「愛花!」


私は、お母さんを押しのけて玄関に戻った。


「お姉ちゃん?」


多分、私たちの声は、心葉まで聞こえていたんだと思う。


玄関では心葉が小さくふるえていた。