心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「俺だけに責任押しつけるのか?」


「先に好きって言ったの、先生じゃなかった?」


「そうだっけ?」


「そうだよ。あのベッドで」


私はいちばん窓側にあるベッドを指さした。


「愛花、おいで」


「ん」


私たちはそのベッドに座った。


「愛花、ほんとにいいの?」


先生は、カーテンを閉めてから、私に聞いた。


「うん」


「俺、離さないよ?」


「私も今さら離されても困るもん」


「そうだよな」


私らしい答えだって思ったのか、先生が苦笑いをした。


「愛花、好き」


「私も」


保健室でするキス。


もう、ここではキスすることも、好きだって言うこともなくなる。


私は今日、この保健室を、高校生を卒業します。そして、石川という名字も……。