久しぶりにしたキスは、アイスの味がした。


「寝よう。明日は、学校だった」


「うん」


「学校、行く?」


「もうちょっと、休みたい」


「ゆっくり休めばいい」


「そうする」


「ほんとに寝るか。俺は休めないからな」


「保健室の先生って、大変だね」


「ああ。でも、やっててよかった。愛花に出会えたから」


その日も、俺たちは同じベッドに入った。


俺は、愛花が眠った頃、そっとベッドを抜け出した。


ケータイを取り出して、ストラップを取る。それから、明里と一緒に取った写真を最後にもらった手紙の封筒の中に、全部一緒に入れた。


「明里、今までありがとう」


そうつぶやいて、引き出しのいちばん奥にしまった。


これからは、愛花と一緒に、前だけ見ていく。


そう誓って。