「お父さんはいなくなってしまったけど、愛花が忘れない限り愛花の心にいるから」


「うん」


「きっと空から見守ってくれてるよ」


「うん」


「そういえば俺、お父さんに言い忘れたことあった」


「何?」


愛花は顔を上げ、食べていたアイスの棒をテーブルに置いた。


「愛花と結婚させてください、って言うの」


「先生……」


「ダメ?」


「嬉しい」


「よかった。俺、フラれたらどうしようかと思った」


「フった方がよかった?」


「バカ」


「んっ……甘い」


「愛花も」