「乾かすから、貸して」


愛花からドライヤーを受け取り、うしろに回って髪の毛を乾かした。


まだずいぶん、濡れている。


「できた」


ドライヤーの電源を落とす。


「ちょっと待ってろ」


俺は愛花にそう言うと、台所に向かった。


1本だけ、アイスを取り出す。


そして、愛花の隣に座ってソファの上であぐらをかいて、上に愛花を座らせた。


「食べて」


俺はアイスの袋を破って、愛花に渡した。


バニラの棒のアイス。


「アイス?」


「風呂上がりはアイス」


「ふーん」