どんなに壊れそうな心でも、


俺がそばにいて支えてやるから。


愛花が心から笑えるように、心でいろんなものを感じられるようになるまで、愛花のペースにゆっくり付き合うから。


俺は愛花が眠ったのを見届けると、着替えて急いで家を出た。


愛花が起きるまでに、帰らないといけない。


起きたときにひとりなのは、きっと、不安だから。


「裕真、早いな」


向かった先は……、俺の働いている店だ。


「マネージャー、話いいですか?」


「話? ああ」


マネージャーはタバコを取り出して、火をつけた。


まだ誰もいなかったから、いつもお客と酒を飲む席に座る。


「話って?」


煙を吐きながら、俺に聞くマネージャー。


「俺、この仕事辞めます」