「ありがとう」


「かなり疲れてるみたいなんで、もう帰ります」


先生はお母さんにそう声をかけた。


「お願いします」


「愛花、行こう」


「うん」


また私を抱き上げる先生。


「先生、歩ける」


「いいから、黙って」


私を車に乗せて、先生は自分の家まで走らせる。


その間、私はずっと、目をつぶっていた。


家に着くと、私の歩けるという言葉を無視して、先生はまた私を抱きあげ、ベッドまで運んだ。


ベッドに下ろした後、頭をなでてくれた。


「愛花、よく頑張ったな」


「先生……」