心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「愛花、気分は?」


先生は、私を部屋に連れて行き、ベッドに下ろした。


「ちょっと気持ち悪いけど、大丈夫」


「そっか。着替えた方がいいんじゃないか?」


「うん」


今日、私は制服で来ていた。


「俺出てくから、着替えられたら教えて」


こくんと小さくうなずく。


先生が廊下に出て行ったのを見て、着替えを始めた。


廊下から先生と心葉の話している声がかすかに聞こえる。


せっかく、お葬式では心葉を不安にさせないように頑張ったのに、こんなことで不安にさせてしまった。


「入っていいよ」


着替えを終えた私は、部屋の中からふたりに声をかけた。


「お姉ちゃん!」


心葉が勢いよく、部屋に入ってくる。