「お姉ちゃん」


「ん?」


「どうしてお父さんたち、ケンカしてるの?」


8歳の妹に、今の家の状況がわかるわけがない。


「きっとイヤなことがあったんだよ」


「すぐ仲良くなるよね?」


心葉は、私とつなぐ手に力を入れた。


「ん。なるよ」


私は、そう答えるしかなかった。


夜の街には、サラリーマンとか、お酒に酔った人しかいなかった。


「心葉、ジュース飲む?」


「うん!」


コンビニでジュースを買って、その場でふたりで飲んでいたとき、


「きみ、何してるの?と、誰かに声をかけられた。


もともと大人っぽいと言われる私。