【愛花サイド】


「愛花、大丈夫?」


「うん」


日曜日。先生の車で、お葬式の会場まで行った。


これが、お父さんとの最後の別れ。


必死に泣くのをガマンした。


最後くらい、笑っていなきゃ。


「お姉ちゃん!」


会場に着くと、心葉が私にしがみついてきた。


「心葉、大丈夫?」


「お父さん、いなくなちゃった」


そう言って、泣きだした。


「大丈夫だよ。お姉ちゃんがいるから」


心葉の背中をさすり、心葉に目線を合わせる。


無理して笑顔を浮かべた。心葉を安心させるために。