心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

愛花のすすり泣く音が聞こえる。


「愛花」


「ん?」


「今はいっぱい泣いていい。でも泣いたら、その分笑わないといけないよ」


「それって、決まり?」


「そう。決まり」


「笑えなかったら?」


「誰かに隣にいてもらえばいい。愛花が笑えるまで」


「そんなの、ずっと先の話だよ。それまでずっと私の隣にいてくれる人なんて、いない」


「俺がいるよ」


「先生だって、疲れちゃうよ。ずっと私のそばにいたら」


「どうして、好きな人のそばにいるのに疲れなきゃいけない?」


「先生……」


愛花は俺の胸から、顔を上げた。視線がぶつかる。