心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【愛花サイド】


先生がお風呂に行ったのを見届けてから、カチッとドライヤーの電源を落とした。


今の私には、ドライヤーすら重く感じる。


体に力が入らない。何もする気が起きない。何も考えられない。


ただただ、寝ても起きても思い出すのはお父さんのことばかり。


どうして死んじゃったの? 一緒にご飯食べる約束してたじゃん。なんでよ……。


お風呂に長くつかり過ぎたせいか、体が熱い。


窓を開けて、ベランダに降りる。


熱かった体が、夜の冷たい風ですぐに冷めていった。


「お父さん……」


また涙が出てきた。


泣いても泣いても、涙は止まらない。


私をひとりにしないでよ。


あの家には、私とお父さんしかいないんだから。


お父さん死んじゃったら、私しかいなくなっちゃうじゃん。


そんなの耐えられないよ。