心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「俺のとこにおいで」


「先生」


愛花の母親が、びっくりした顔をした。


「しばらく私が愛花を預かっていいですか?」


「えっ?」


「お願いします。今の愛花をひとりにはできません」


「でも……」


「ちょうど土日ですし。愛花は、私の大切な人です。そばにいてあげたいんです。お願いします」


“大切な人”という俺の発言に、愛花の母親はハッと顔を上げる。


「……わかりました。愛花を、お願いできますか?」


「はい」


愛花はまだ、泣き続けてる。


「愛花、帰るよ」


「ヤダ」


「ヤダじゃない。帰るんだ」