心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「愛花、座って」


俺は愛花の手を引いて、長椅子に座らせた。


そのまま、抱きよせる。


愛花は疲れたように、俺の肩に頭をのせてきた。


「眠ってもいいよ」


「ううん。お母さん、待ってる」


30分くらいで、愛花の母親は戻ってきた。


それで、ゆっくり愛花に話し出した。


「相手の信号無視が原因だったそうよ」


「うん」


「お父さん、頭を強く打って、病院に運ばれたときには……」


愛花の母親が、言葉に詰まった。


「返して……お父さん」


「愛花」


母親が愛花を呼んだ。