心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「うん」


「そしたら、看護師さんが確認してくださいって言って……」


愛花が言葉に詰まった。


「もう話さなくていい。目をつぶって。お母さんが来るまで、少し眠ろ」


「眠れない」


「大丈夫。眠れるから」


愛花はふるえていた。


「眠って」


俺は自分が着ていたコートを脱いで、愛花にかけた。


寒さでふるえているんじゃないことくらい、わかっていたけれど。


「先生、私ひとりになっちゃった……」


「愛花はひとりじゃない」


「ヤダよ……」


「愛花、眠って。今は、何も考えなくていい」


「眠れない」