「いや……」


「愛花!」


まるでいやいやをする子供みたいに、愛花は俺の胸の中で暴れた。


「愛花、大丈夫だから。俺がいるから」


「ヤダ……」


泣きすぎて、息が上がっている。


過呼吸になってしまうんじゃないかと思った。


「愛花、大丈夫だから」


とにかくそう繰り返し、体が折れるんじゃないかってくらい抱きしめた。