心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

電話の向こうからは、愛花の泣き声。


何回も声をかけたけど、聞こえていないかも知れない。


病院に着くと、走って病室まで行った。


「愛花!」


「先生……」


愛花はボロボロと泣いていた。


俺を見ると、するっと手からケータイが落ちた。


俺は思いっきり愛花を抱きしめた。


「先生、お父さん……」


「ん、わかったから」


肩をふるわせて泣く愛花。


「大丈夫だから」


何回も声をかけた。


それから、愛花を長椅子に座らせて、病室に入った。


確かにそこにいたのは、愛花の父親だった。