心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「家の近くのファミレスなんだけど、そこで待ち合わせだから」


「まるで、付き合ってるみたいだな」


「なんでそーなるのよ」


「別に」


「先生、妬いてるんでしょ?」


「はっ? 違うし」


「そーゆーことにしといてあげる」


私はカバンを持って、保健室を出た。


そして、ドアを閉める前に、「先生、今日も電話くれる?」って聞いた。


「当たり前だろ?」


笑顔でそう答えてくれた先生に「じゃあね」と手を振って、ドアを閉める。


家に帰って、急いで着替えをした。それから、歩いて近くのファミレスに向かう。


歩いていると、カバンに入れてあるケータイが鳴った。


「もしもし?」


「愛花か?」


「うん。どうしたの?」