「愛花」


「僕と愛花は、6歳も年が離れてます。それに、一応教師と生徒という関係です。ご心配されると思いますが、愛花につらい思いはさせません。お付き合いを認めていただけませんか? お願いします」


先生はそう一気に言って、お父さんに頭を下げた。


「お父さん、お願い」


私も一緒に、頭を下げた。


「断る」


「お父さん!」


「きみがどんな人かはわかった。でも何もなかったとはいえ、高校生の娘の部屋に入るなんて」


「それは、私のことが心配で……」


ひどいよ。ちゃんと話したのに、認めてくれないの?


何がいけないの?


やっぱり、最初の印象がいけなかったから? 


私たちは、うつむいてしまった。


「反対だ」


やっぱり、お父さんは認めてくれないの?