心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

それに気付いてまた笑いそうになったけど、さすがに先生がかわいそうな気がして、ここはガマン。


先生、かなり緊張しているっぽいし。


私はリビングに先生を通した。


「お父さん」


ソファに座ってテレビを見てるお父さんが振り返る。


その顔を見て、笑いをこらえた。


あっ、どっちもどっちだ。


お父さんの顔も引きつっていた。


「この前は、すみませんでした」


お父さんの顔を見て、先生が謝った。


「いや。まあ、座って」


テレビを消しながら、先生に言うお父さん。


先生は、お父さんと向き合う形でソファに座った。


私も先生の隣に腰をおろす。


「せっかくのお休みなのに、私に付き合わせてしまって、すみません」


「そんなことないから」