「愛花」
俺は怒った声を出した。
「わかった。寝る」
ごそごそと音がして、愛花はおとなしくベッドの中に入ったようだった。
「早く治さないと、期末受けられないぞ」
「先生、数学教えて」
「数学の先生に、教えてもらえばいいだろ?」
「こほっ……数学の先生じゃ、わかんない」
「数学の先生だから、わかるんだろ?」
「ちがっこほっ。数学の先生は、自分の知識を押しつけてくるだけ。教科書では教えてないんだけどなって」
「そうなの?」
「こほっこほっ。だから、余計わかんなくなるの」
そう言って、また咳をする愛花。
「わかった。教えてやるから、寝ろ。咳、ひどくなってる」
「ん」
「おやすみ、愛花」
「おやすみ」
俺は怒った声を出した。
「わかった。寝る」
ごそごそと音がして、愛花はおとなしくベッドの中に入ったようだった。
「早く治さないと、期末受けられないぞ」
「先生、数学教えて」
「数学の先生に、教えてもらえばいいだろ?」
「こほっ……数学の先生じゃ、わかんない」
「数学の先生だから、わかるんだろ?」
「ちがっこほっ。数学の先生は、自分の知識を押しつけてくるだけ。教科書では教えてないんだけどなって」
「そうなの?」
「こほっこほっ。だから、余計わかんなくなるの」
そう言って、また咳をする愛花。
「わかった。教えてやるから、寝ろ。咳、ひどくなってる」
「ん」
「おやすみ、愛花」
「おやすみ」

