心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

病院で診てもらうと、やっぱり風邪だった。


薬を出してもらって、家に帰る。


帰りの車でも、やっぱりお父さんは無言だった。


「部屋に行って寝てなさい」


「うん」


私の方を見ずに、お父さんが言った。


顔も合わせてくれない。


ものすごく、悲しかった。


しばらくして、お父さんが部屋に入ってきて、氷枕を敷いてくれた。


「お粥ができたら持ってくるから」


「うん」


しばらくウトウトしていたらしい。


「愛花、入るよ」


その声で、少しだけ目を開けた。