【祐介サイド】


そう言ってケラケラ笑う石川を、俺はため息をつきながらもじっと見つめた。


「でもさ、先生」


「何?」


「佐野先生のカン、当たってないよ」


笑うのをやめて、そう俺に言う。


「私は悩み事なんてないし、毎日楽しく過ごしてるよ? 先生のおかげで」


「そう? ならいいけど」


「だって、先生からかうの楽しいし」


「お前、遊ばれてる俺の気持ち考えたことあるか?」


「ない」


「結構落ち込むんだぞ。たかが18歳の小娘に」


「先生おしい! 私まだ17歳」


「年はどうでもいいの。ほんとに何もないのか?」


「先生、しつこい」


「じゃあ、何で泣いてたんだよ?」


「だから、言ったでしょ? 宇宙人に連れてかれて、それが怖かったの」


「ふーん」


本当にそれだけだろうか?


それだけじゃない気がするのは、俺のカン違いか?