心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「うん」


「おやすみ、愛花」


「先生は?」


「俺の心配はしなくていいから」


「でも、寒くない? 机のそばに、電気ストーブあるから」


「愛花は、寒い?」


「大丈夫」


「そっか。じゃ、寝なさい」


「ん」


しばらくすると、少し苦しそうな愛花の寝息が聞こえてきた。


勉強机の電気をつけると、少しだけ部屋が明るくなる。


「んっ……」


もぞっと、愛花が動いた。毛布がずれたのを直す。


「ったく、ひとりでどうするつもりだったんだ」