【祐介サイド】


「ちゃんとベッドに入ってろって言っただろ?」


俺は、抱きついてきた愛花をしっかり抱きしめた。


「入ってたよ」


「ウソつくな。体、冷たい」


「だって起きてないと、チャイムの音聞こえないでしょ?」


「ああ。そうだった」


愛花を家に上がらせ、玄関の鍵を閉めた。


愛花の家の中まで入るのは初めてだ。


「愛花、ベッド」


「ん」


愛花について行くと、部屋まで通された。


電気をつけると、パッと部屋の中が明るくなる。


勉強机にベッド、本棚、タンス。


白と黒を基調にした部屋は、きれいに片付いていた。