心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「愛花」


「先生? どうしたの」


「愛花、俺に何か隠してない?」


「…………」


「愛花、ちゃんと言って。お父さん、ほんとにいるの?」


「先生……」


急に涙が出てきた。


「誰もいないんだろ?」


「うん」


電話の向こうから、先生のため息が聞こえる。


「今から行くから」


「でも……」


「何か食べた?」


「ううん」


「薬は?」