【祐介サイド】


「先生、どうしてわかったの?」


俺が片付けていると、愛花が座ったまま目をつぶりながら、俺に聞いた。


「弁当減ってないし、いつもよりしゃべる速度が遅い。それに、名前で呼んでも無反応」


「そんなことないのに」


「わかったから、寝ろ」


「ん」


愛花はふらふらと立ち上がって、ベッドに向かった。


「寒いか? 暑いか?」


俺は愛花に体温計を渡しながら聞いた。


「寒い」


ってことは、熱はまだ上がりそうだな。


俺は隣のベッドから毛布を引っ張りだし、それを布団の上からかけてやった。


しばらくすると、体温計が鳴る。


「何度だった?」