「愛花」


いつの間にか先生の顔が私の前にあった。


ゴツンと、額同士がぶつかった。


「熱、あるだろ?」


「ない」


「ウソつくな。いつから具合悪かった?」


「……朝」


「ったく、なら学校休めよ」


「そしたら、お父さんに迷惑かかる」


「送ってってやるから、ベッドで寝てろ」


そう言うと先生は、私からお箸を取り上げてお弁当を片付け始めた。