でも、お父さんに心配はかけられない。


ただでさえ慣れない仕事を頑張っているのに、私のことで余計な心配をかけたくない。


だから、ほんとは食欲なんてなかったけど、無理して朝ご飯を食べた。


具合が悪いことは、お父さんには気付かれていないと思う。


1時間目、2時間目……。


午前中の授業が終わる頃には、完璧に私の体調は悪くなっていた。


保健室に行ったら、先生は具合が悪いことに気付くだろうか? 


いつものように振る舞っていれば、気付かないよね? 


前にも熱を出して迷惑をかけたから、今日はかけたくない。


私は、重い体を引きずって保健室に行った。


「お父さん、仕事順調?」


「ん。頑張ってるみたい」


いつものように、お弁当を広げながら先生と会話をする。


でも、なかなかお弁当が少なくならない。


食欲がない。お箸が、重い。