自分の部屋に戻ると、堪えていた涙が一気にあふれてきた。


「うっ……ひっく」


お父さんに聞こえないように、口もとを押さえる。


ごめんね、お父さん。


私、何の役にも立てなかった。


ひとりでずっと悩んでいたんだよね? 


ひとりでずっと頑張って来たんだよね? 


ごめんね、お父さん。


機械化が進んだ工場なんてヤダよね? 


だってお父さんの自慢は、手で作るってことだったもんね。


お父さんが前言っていたこと、覚えてるよ。


私が、「どうして機械を使わないの」って聞いたとき、「この部品はな、機械でも作れる。でも、手作りの方が心がこもってていいだろ?って、にっこり笑って言っていたよね。


お父さん、何にも助けてあげられなくて、ごめんね。


お父さんの働いている姿が大好きだったよ。