心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「病気でボロボロになった体を、俺に見られたくなかったって。お葬式のときにもらった手紙に書いてあった」


「そんな……つらかったはずなのに」


「手紙にも書いてあったよ。治療はつらくて、やめたいって何度も思ったって。ほんとは、すごく甘えたかったって」


「うん」


「だから愛花の悲しい目を見たとき、俺決めたの。この子が俺に頼ってきたら、助けてあげようって。明里を助けられなかった分まで」


「先生……」


「ごめんな、愛花。最初は、明里の代わりだった」


「…………」


「俺今でも、明里を忘れられない」


「先生」


「写真だっていつまでも持ってるし、あのケータイストラップも、お葬式のときにもらった手紙も、全部捨てられなかった」


俺は一気に言った。