【佐野先生サイド】
あのときだ。
陸が仕事中に外へ出て、なかなか戻ってこなかったときがあった。
俺が呼びに行ったら、ちょうどケータイで電話を切ったところで、俺に言ったんだ。「頑張れよ」って。
愛花に電話をしていたのか。
番号は、俺のケータイから勝手に見たんだろう。
「愛花……おいで」
「うん」
ふたりで、ベッドに座った。
しばらく沈黙が続く。
「ごめんね、先生」
「えっ?」
「先生の写真、勝手に見て」
愛花はうつむきながら、俺に言った。
「愛花、俺の話聞いてくれる?」
こくりと、愛花はうなずいた。
あのときだ。
陸が仕事中に外へ出て、なかなか戻ってこなかったときがあった。
俺が呼びに行ったら、ちょうどケータイで電話を切ったところで、俺に言ったんだ。「頑張れよ」って。
愛花に電話をしていたのか。
番号は、俺のケータイから勝手に見たんだろう。
「愛花……おいで」
「うん」
ふたりで、ベッドに座った。
しばらく沈黙が続く。
「ごめんね、先生」
「えっ?」
「先生の写真、勝手に見て」
愛花はうつむきながら、俺に言った。
「愛花、俺の話聞いてくれる?」
こくりと、愛花はうなずいた。

