【愛花サイド】


土曜日。


学校に行くから、制服にしようと思ったけれど、やめた。


今はもう11月。


寒くなってきたから、白いコートを着て家を出る。


足がうまく進まない。


まるで、学校を避けているみたいに。


いつもよりゆっくりなペースで歩き、学校に着いた。


グラウンドでは、サッカーの試合が行われていた。


体育館からも部活をやっている声がする。


昇降口が開いてたから、いつものようにそこから学校の中に入る。


そして、しばらく行っていなかった保健室へと向かった。


トントン!


ドアをたたくと、「はい」と久しぶりに聞く先生の声。


それだけで涙が出そうになった。