【祐介サイド】


「石川、そろそろ授業だぞ」


女子が帰ったあと、俺は石川に声をかけた。


「石川?」


返事がない。


石川の方を向いた。


「寝てる?」


そこには、窓に頭をつけて眠っている石川の姿。


長い髪で、顔が半分隠れている。


「おーい、起きろ!」


石川をゆり動かす。


そのとき。


「えっ?」


石川の目から、涙が流れた。


「泣いてる?」