【祐介サイド】


机の上に置いてある手帳を見てハッとした。


「まさか、写真見たのか?」


俺は、手帳を置きっぱなしにしたことを後悔した。


あの中にはさんであった写真。俺の大事な人。


今でも、忘れられない。


心の片隅に、いつもいる彼女。


「明里……」


彼女は、もう、この世にはいない。2年前に病気で亡くなった。


名前のとおり、いつも明るかった明里。


でも、病気が見つかってからは、悲しそうな目をするようになった。……少し前の、愛花と同じように。


俺は、彼女を笑顔にしたくて、頑張った。


でも最後は、見舞いに行くのも拒否された。


俺に弱った姿を見せたくないって言っていたらしい……。


明里が亡くなった後に、届けられた手紙にそう書いてあった。