あの夜、先生は私の心に入ってきた。


そして、私は、それを拒むことなく受け入れた。


先生なら信頼してもいいって、なぜかそう思ったから。


でも、それは違ったみたい。


先生こそ、表面的な付き合いだったんじゃない。


私には、それはいけないって言ったのに。


先生の心は、私になかった。


他の誰かに向いていた。……それは、この写真の人。


ぐっと唇を噛んで泣くのをガマンした。


私がいけなかったんだ。やっぱり、そんなに簡単に人を信頼しちゃダメ。


特に、好きって感情は持っちゃダメ。


好きって感情は、まるで噴水のように、いつまでもいつまでもわき出てくる。


それは、止まることを知らない。


どんどんどんどん、高くなるんだ。


だから、1回わき出たものを止めるのはとても時間がかかる。