心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【愛花サイド】


「先生、ガンになって死んじゃうから」


そう言った私に、「そりゃどうも」って先生は煙を吐きながら、意味不明な受け答えをした。


「ほんとだよ。おじいちゃん、それで死んじゃったもん」


「おじいちゃんって?」


「お父さんのお父さん」


「ふーん」


先生は、短くなったタバコを消した。


「……だから、キライ」


そうつぶやいて顔を上げると、空がオレンジ色に輝いていた。


もうそんな時間なんだ。


「先生、帰る?」


「ああ、そうだな。お土産、見てくか?」


「うん」


先生はまた、私と手をつないだ。