「この子の彼氏、ひどいんだよ?」


「おー、話せ」


先生は何か言いたそうに一瞬こっちを見たけど、すぐにその女生徒の方を向いてしまった。


私はまた、外に顔を向けた。


バカらしい。彼氏? 彼女? 


そんなの一瞬で終わるのに。


どんなに愛し合っていても。


ウチの親見てよ。


子供、2人も生んだのに。


あんなに仲がよかったのに。


昨日だって……。


「いい加減にしてよ」


「どうしてお前は、そんなに答えを急ぐんだ!」


「生活がかかってるのよ」


夜中になっても、そんな会話、ううん、ケンカが続いていた。