【祐介サイド】


「あっ、そうだ」と、愛花は弁当の入っていた袋をごそごそして、何かを取り出した。


「後で食べようと思ったんだけど」


そう言って、俺に小さな袋を渡してくる。


「昨日、作ったの。じゃあね、先生」


予鈴が鳴り、愛花は急いで保健室を出て行った。


「何だ?」


俺は袋を開けた。中には、手作りクッキー。


「へー、女の子らしいことするんだ」


って、愛花はいかにも女の子って感じだけど。


背は160前後だし、私服で会ったときはいつもスカートだった。


そこから伸びる、すらっとした足。


かわいいって感じもあるけど、どっちかといえば美人かな。


ぱっちりした二重と、長いストレートの髪が印象的だ。


「うまい」


俺は、愛花が置いていったクッキーをかじった。


日曜日、どこに行きたいって言うんだろうか? 


俺にとっても、久々のデートだ。……彼女以来の。