心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「遊ばれる先生が悪いんだよ」


「石川」


「何?」


「お前、俺をからかうのもいい加減にしろよ!」


俺は思わず、声を荒げてしまった。


その声に、愛花の体がビクっとゆれる。


「ごめん……なさい」と、弱々しい声で俺に謝った。


「ごめん。……怒らないで」


泣きそうになりながら、耳をふさぐ愛花。


「はぁ~」


俺、何やってんだ。


どんなに明るく振る舞っていても、愛花は親の怒鳴り声、あの恐怖を忘れたわけじゃない。


ちょっとした大声でも、親のケンカを思い出してしまう。


それほど、両親のケンカは愛花に影響を与えたのだ。