心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「あたり」


愛花の笑う顔を見て、初めて俺はだまされていたことを知った。


「ねっ、ウソ泣き上手だった?」


「女優になれるよ」


俺は、ぶすっとした顔で言った。


「それってほめてる?」


「思いっきり」


「そっ。ならいい」


そう言うと、愛花はまた、お弁当を食べ始める。


「先生」


「何?」


「まだ怒ってんの?」


「別に」


「大人げない。子供の遊びじゃん」


「お前はいちいち、いちいち余計なことを」