「何を?」


「この学校、校内禁煙だってこと」


そう言って、先生に向かってにっこり笑った。


「バレなきゃ問題ないだろ」


「そうだよね。佐野先生は、立派な仕事してるもんね」


「石川、大人をからかうな」


佐野先生は、頭をかいた。


「からかってないよ。遊んでるだけ」


先生から外に視線を戻す。


「石川」


「何?」


名前を呼ばれたから、また先生の方を向いた。


「今日……」


でも、佐野先生が話し出したとき、「せーんせいっ」って、女子が何人か保健室に入ってきた。


「佐野先生、話聞いてよ~」