「いってらっしゃい」


「昼は適当にやって」


「わかってる。ついでに、夕ご飯も作るから気にしなくていいよ」


「できるか?」


「お父さんよりは、できるよ」


「そっか」


お父さんは笑いながら、家を出て行った。


お父さんが笑ってくれるから、私も自然に笑うことができた。


やっぱり、ケンカしていたころの険しい顔より、笑顔がいい。


お父さんとふたり。お父さんが笑ってくれている限り、大丈夫な気がした。