ふたりで朝ご飯を食べた。


「おいしい」


「だろ?」


「うん」


久しぶりに見た、お父さんの笑顔。


「ね、お父さん」


「何?」


「私ね、お父さんが工場で働いてる姿、好きだよ」


「愛花……」


「だから、ギリギリまで頑張って」


「ありがと」


「あっ、でも。路頭に迷うことだけはヤダからね」


「ああ、わかった。その前に何とかするよ」


「何とかなればいいけどね」


「おっ、言ってくれるね」