心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【祐介サイド】


電話の向こうから、愛花の泣く声が聞こえた。


つらさが、ヒシヒシと伝わってくる。


自分のベッドに背中をつけ、愛花の泣き声に静かに耳を傾けた。


「先生」


しばらく泣いた後、愛花が俺を呼んだ。


「何?」


「心葉、私のことキライになっちゃったかな? 今までみたいに、お姉ちゃんって呼んでくれなくなっちゃうかな?」


「そんなことないよ」


「ほんと?」


「ああ。心葉ちゃんも、もっと大人になれば、きっとわかってくれるよ」


「だといいな」


「きっとそうだ」


「先生、私寝るね」


「うん」