心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

思い出したら、涙が出てきた。


先生に聞こえないように口もとを押さえる。


「愛花」


先生は静かに私の名前を呼んだ。


「ガマンしなくていいよ」


「先生……」


「泣きやむまで、電話切らないから」


「ありがと」


そうつぶいた後は、もう嗚咽がもれるだけだった。