心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

ふいに、先生に抱きしめられる。温かい。


「泣けよ。そしたら、笑え。思いっきり」


先生の胸の中は温かくて、私は涙を止めることができなかった。


先生に抱かれながら、私は思いっきり泣いた。


泣いて泣いて、私はある決心をした。


「先生」


「ん?」


私は先生から、体を離した。


「どうせ離れてくなら、好きな人なんか作らない」


「石川……」


「家族なんかいらない。こんな思いするなら、ひとりがいい」


「そんな悲しいこと言うな」


「好きとか愛してるとか。そんな感情いらない」


ひとりがいい。


ひとりでいい。