心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「うん」


「お父さんが、私に言ったの。愛花は大人なんだから、自分で決めなさいって」


「それで?」


「それ、1週間も前の話。私まだ、決めてない」


「そっか」


決められないんじゃない。


「ほんとは、決めたく……ない……の」


涙があふれてきた。


「どっちかなんてイヤ。お父さんとお母さんと心葉。全員一緒じゃなきゃイヤ」


「石川……」


「壊れちゃった……」


声が出てこなかった。


「…………」


「もう、元には戻らない」


あふれる涙を止めようと、手で顔を覆った。