心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

そう言って、先生は車を降りた。


「石川、降りてみ」と、助手席のドアを開けてくれる。


「すごい」


そこは高台で、夜の街がきれいに見えた。


「きれいだろ?」


「うん」


「ひとりで車運転してるときに、見つけた」


「ウソ。女の人も一緒でしょ?」



疑うような目をすると、「ほんとにひとりだったよ」って先生は苦笑いをしてこっちを見てきた。


「先生」


「ん?」


私は先生から顔をそらして、目の前の夜景を見た。


「あのね、やっぱり離婚するんだって」


「そっか」


「心葉はね、お母さんが連れてくって」