心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「玄関から出て来いよ」


「こっちの方が、スリルあっていいの」


「意味不明」


私は玄関から持ってきたミュールを履くと、芝になってる小さな庭に足を下ろした。


そっと、リビングの窓を閉める。外はムッとするほど、暑かった。


「あーあ。終わちゃった」


「何が?」


「誕生日」


「18歳、おめでとうございます」


「嬉しくない」


「そっか」


去年は家族にお祝いしてもらって、すごく嬉しかったのを覚えている。


でも、今年、親は私の誕生日なんて覚えていなかった。


そんな誕生日、ちっとも嬉しくない。


「どこ行きたい?」